第44回
銀河はしばしば他の銀河と近づきあい強い重力相互作用が生じる。 このような状況にある天体は相互作用銀河と呼ばれるが,母銀河の形状や運動を大きく変化させるだけでなく,相互作用の進行に伴って星形成活動が活発化するという性質が知られている。 この原因を探るには,星形成の母体である分子ガスの性質の理解が不可欠である。 一方,星形成活発化の条件が整うと考えられる相互作用初期~中期に対する研究は装置の性能などの制限により,あまり進められてきていない。 本発表では,このような背景を概説したのち,我々が行ってきた相互作用初期~中期の4天体に対する12CO(1-0)輝線マッピング観測によって得られた分子ガスの性質と星形成活動との関連について議論する。